FXに使える山崎種二「売りの技術」

「米相場中心の山崎種二の話を連載して何の役にたつのか?」

こんな疑問を持っている方もいらっしゃるのではないかと思います。

成功するための心構えなどは学べるかもしれないけど、運用技術などはFXと米相場では値動きが違いすぎるので応用が効かないだろうという意見もあるでしょう。

実はそこがポイントなのです。

「山崎種二氏の技術だからこそFXで応用が効く」

こう私は感じています。

サヤ取りについては既にこの連載で書かせて頂いたのですが、売りの技術は日常のFXトレードに応用できます。

この前提として大事な「株・商品先物とFXの値動きの違い」をまずは復習しておきましょう。

天井3日・底100日が株・商品先物の値動き

昔から、株や商品先物の値動きは「天井3日・底100日」と言われています。これは、チャートを見ていただけるとすぐに理解できると思います。

例えば、ヤフーファイナンスなどで過去10年の月足グラフを表示させてみたりするとほとんどの株が同じ形をしています。

「ガツンと大きく上げている期間は短く、下げてから底値でウネウネしている期間がとても長い」

これが「天井3日・底100日」と呼ばれている典型的な株価の値動きの特徴です。天井圏の期間がとても短いのに対して底値圏の期間はとても長いのでこう言われています。

大体の株がこういう値動きになっています。この傾向は、バブルと言われて株価がガンガン上昇した1980年代でも同じなのです。

商品先物も株価と同じような値動きをします。株価と違うのは「周期が短い」というところです。株価は、1周期10~20年と言われていて、上げ始めてから下げ終わるまではかなりの年数があります。

これに対して、商品先物の小豆などの農産物は1年周期が基本です。

例えば、春先に値が大きく上がり、その後は下げてから底値でウネウネと動くような感じです。その動きをチャートにすると、株価10年1周期を短くしただけの似た形となります。

金や原油などは、周期なども違うのですが値動きはやはり株に似ています。

ただ、金は昔から値動きが掴みづらいので有名です。

一般投資家には身近な商品として人気が高いのですが、セミプロ以上のクロウト筋は金はほとんどやりません。

これは不思議に思われる方もいるかもしれませんが、値動きが掴みづらいから儲けづらいのです。他の値動きを掴み易い先物商品もあるんだから、そっちの方が楽に儲けられるという単純な理由があります。

私も金先物は、大昔にちょっとだけやったのですが合わないので止めました。その後は小豆・コーヒーなど農産物だけにしています。周期の違いはあれど、株と商品先物は値動きが似ています。

これに対して為替は違うのです。

天井3日・底3日の値動き

定期的にブログで公開している豪ドル手書きグラフをちょっとご覧下さい。

豪ドルグラフ
 
ブログの写真だとちょっと特徴がわかりにくいかもしれません。為替にはこういう特徴があります。

「天井も底もギザギザしている」

株や商品先物では、底値圏では値動きが小さくなる傾向があるのですが、為替はそういう形になる事が少ないのです。

・天井圏では、ガツーンと上げてからガツーンと暴落する。
・大底圏では、ガツーンと下げてからガツーンと暴騰する。

こういう値動きになる事が多いのが、為替値動きの特徴のひとつです。

株や商品先物の値動きが「天井3日・底100日」であれば、為替は「天井3日・底3日」と言い換えられます。

株・商品相場での「天井3日」の値動きが為替相場では「天井も大底も3日」となるのですから、昔の「天井3日」を上手に取った相場師の技術が参考になるかもしれないですよね。

天井を取る技術 = 売りの技術

連載で山崎種二氏を取り上げているのはこういう理由からなんです。

山崎種二の売りの技術は、天井相場を売りで取るための技術です。FXでは、天井も底も同じ形をしていて、株や商品の天井が上げでも下げでも発生するという特徴があります。

つまり、株や商品相場の天井を取る技術は、FXでは売り買い両方の技術として幅広く使える可能性があるかもしれない・・・ということにもなります。