一流相場師が一般には知られない理由
相場の世界では、「本当に儲かっている人はなかなか表に出てこない」と昔から言われます。これは事実です。
例えば、板垣浩氏などです。
彼の著書「プロが教える株式投資」は、株式だけでなくFX投資家の間でもバイブルとして有名です。「うねり取り」をやっている方でこの本を持っていない方はまずいません。
彼は、株式投資で作った10億以上の資産をもって1980年代に米国に移住しています。日本の市場に見切りをつけたのが移住の理由とも言われています。
東大出身で頭も良く運用力も抜群の相場師でした。
でも、彼の著書は上記一冊のみです。林先生と一緒に書いた本はもう一冊ありますが、単独で運用技術の磨き方を詳しく書いているのは一冊だけです。彼が高額セミナーをしたという話も聞いたことがありません。
彼ほどの運用力を持っていれば、もっと有名になって本も数十冊あってもおかしくないのですがそうはなっていません。
この連載の山崎種二氏もそうです。
「相場の神様」とか「売りのヤマタネ」というのは、当時の投資家で知らぬ者がいないといっても過言ではないくらい有名な相場師でした。
でも彼の書いた相場本はありません。
有名になる弊害
「本当に儲かっている人はなかなか表に出てこない」理由のひとつは、「相場で儲かっているから本を出す必要がない」ことだと言われてもいます。
でも、これとは視点の違う理由があると私はおもっています。
「有名になると運用がうまくいかなくなる」
セミナーの講師や本を出していたりすると、誰でも気持ちが浮ついてきます。気持ちが浮ついてくれば、相場運用にも狂いが出易くなります。
これは、去年私も経験しました。
某FX業者のリアルマネーコンテストで4位くらいに入った程度ですが、それでもセミナー依頼や出版依頼などが何件かきたのです。利益を出して順位を上げていくだけでも、気持ちは高揚してくることもよくわかりました。
「もっと順位を上げよう」なんて思い始めて、いつもとは違うタイミングで売買してしまうようにもなりました。
「これではいけない」・・・・幸い、そう感じることが出来たので大きな失敗はしなくて済みました。
セミナーも出版も全てお断りしたのも、今となっては良かったと思っています。
花の相場師1年半
「歌手は1年、総理は2年、花の相場師1年半」~ 相場喜怒哀楽より
一時的に目立つことは出来ても栄華は長くは続かない。ちやほやされることで気持ちが驕慢となり油断とスキがでてきて、相場運用のリズムが崩れてきて、それが次の失敗の原因となる。
それまでの期間が1年半・・・・という格言です。
私が目標としている相場師山崎種二氏や板垣浩氏が、著書をほとんど出さなかった理由の真意はここにあるのかもしれないと私は感じています。
読者の皆様も、この辺は十分に注意して欲しいと思っています。
ブログ・メルマガ読者に心得ておいて頂きたい事
FXで利益を出せるようになるのは、それほど難しいことではありません。正しい投資法を正しく実践をしていくだけで、いずれ利益がつみあがるようになっていくからです。
でも、これを世の中で知っている人はあまりいません。
現実には、FXで利益がまともに出せる人は100人に1人くらいだろうと言われています。
だからこそ、利益が出せるようになっている読者の皆様は本当に貴重な存在であり、そのノウハウを知りたがっている人は世の中に沢山います。
それを情報発信している方も読者の中にもいるでしょう。
成果がでてくれば、いずれ声がかかるはずです。
きっちりとした運用力があればインターネットが発達した現代では雑誌に載ったりして有名になるのはそれほど難しいことでもありません。
だからこそ、理解しておいて欲しいのです。
山崎種二氏や板垣浩氏など、本当に成功した相場師達がなぜセミナーや本の出版をほとんどしなかったかです。
それは、ケチだったからとかノウハウを出し惜しみしたからということではないのです。
もっと違う視点の理由があったからです。
「有名になることの弊害をよく知っていた」
今の時代は、誰もが比較的簡単に有名になれます。だからこそ、この部分を理解しておく必要があるのだという気がします。