為替変動からみた注文時期
あまり狙いすぎると良くないのですが、成功し易い為替変動パターンがあるような気がします。具体的にはこうです。
- 仕掛注文は晴天の日
- 決済注文は嵐の日
これと、全体を通じてのポイントが二つあります。
- 損きりから逃げない
- 狙いすぎると失敗しやすい
軽く補足させて頂きますね。
仕掛けは晴れの日
為替変動の晴れの日とは、あまり大きなニュースがなく全体的に小動きのようなときです。こういう日にポジションをつくる仕掛注文を出すと成功しやすい気がします。
南アフリカランドは、こういう時にはとても値動きがゆっくりになります。他の通貨ペアもあまり動かないのですが、南アフリカランドは、値が張り付いたかと思ってしまうくらいずっと同じ値が続くこともあります。
この傾向は、大証FXで特に顕著です。店頭FXの南アフリカランドは小数点以下が3桁表示なのですが、大証FXは2桁なので、それも影響しているのかもしれません。
値があまり動かないので、1銭くらい条件の良い指値を出しておいても逆方向にどんどんいってしまう可能性が薄く、落着いて注文が出せます。
何かの拍子にストンと指値が入ることもあります。
仕掛けの時というのは、どうしても焦ったりしやすいものです。
特に、2社を使った両建てはちょっと手間がかかるせいか誤注文も出しやすいのです。値動きが激しいときなどは、その焦りを加速しやすくなります。
晴れの日に仕掛注文を出すのは、それを防ぐ効果もあります。この辺の理由から、仕掛注文は変動の少ない晴れの日に出すようにしています。
決済は嵐の日
逆に、決済は為替相場が荒れている嵐の日に出すようにしています。
例えば、豪ドルが1円以上動いて円高傾向が顕著なときなどです。こういう荒れ相場は方向性が良く見えます。「上げ」にせよ「下げ」にせよ、動きがはっきりしていればしているほど決済はしやすくなります。
短期間で5円や10円動いて、自動ロスカットや投げ物が出てくるような水準になって暴落状態や売り方が踏み上げで損きりとなる暴騰状況になればなるほど方向性ははっきりしてきます。
こういう時が、「スワップ金利サヤ取りのもう1つの稼ぎ時」でもあります。
前に書いた注文の順番通りにやると・・・
- 下げ傾向がはっきりしていれば「買いポジション」より決済
- 上げ傾向がはっきりしていれば「売りポジション」より決済
という感じになります。方向性がそのままであれば残ったポジションには更に価格変動による利益も乗ってきやすくなります。これまで貯めてきたスワップ金利差の累積+為替差益という感じで利益を上乗せしやすいからです。
でも、無理は禁物です。
この運用法は「安全第一」が基本ですので、為替差益が大きく狙えそうでもあまり深追いはしないようにしています。私の場合、利益を乗せても1銭~2銭程度です。「もっと上昇しそうだ」と思っても、気持ちを抑えるようにしています。
為替リスクをほぼゼロの安全な状況を維持しながら、年間利益率5~10%くらいのペースで運用出来ればそれでいい資金だからです。
ちなみに、この荒れ相場での決済が有利だというのはは豪ドル両建てからの教訓です。
まだ、南アフリカランドでの荒れ相場での決済は、あまり回数をこなしていません。前回決済したときは、「ちょい荒れ」くらいの相場で1銭くらいは有利に出来たと思います。
本当の荒れ相場はなかなかこないものです。
荒れ相場は稼ぎ時・・・なんていっても本当に荒れ相場で稼げる人は稀です。多くの場合、荒れ相場の入口で揉まれてしまい、本当の勝負時には余裕資金がなくなっていたりするからです。
でも、このスワップ金利サヤ取りは両建てなのでリスクをとらずに荒れ相場本番の勝負時まで力を温存しておけます。相場の方向性が明らかな勝負時に、ちょっとだけ有利に決済して利益をいつもより多くいただく。
これが、為替リスクほぼゼロ故に低リターンでもあるこのスワップ金利サヤ取り運用の密かな楽しみかもしれません。
損きりから逃げない
これも、今までの豪ドル両建てを含めた教訓の1つです。
この両建ての決済は、基本的に「損きり決済」と「利益確定決済」の両方を行うことになります。やってみるとわかるのですが、この連載で書いたようにやっていくと、多くのケースで「損きり決済」が最初になったりします。
そういう時には順番通りに決済するというだけなのですが、この時に邪心が起きてしまいがちなのです。
例えば「損きり決済」を後にしてしまおうと思ってはいけないという事です。
人間は誰しも「損きり」からは逃げたいという気持ちがあるようです。これは、私も例外ではありません。何度となくその誘惑にかられたりするものです。
でも・・・下げ傾向がはっきりしている・・・ときに損きりとなる買いポジション決済を後回しにして利益の乗った売りポジションから決済すると、売りポジション決済後に下げの流れが加速して損失を増やす結果を招く恐れがあります。
そういう状況だけは避けたいものです。
狙いすぎると失敗しやすい。
これも重要です。慣れてくると条件をもっと良くしようとしてキツ目の指値注文を出すようになったりするかもしれません。有利にするためとはいえ3銭も4銭も先の指値注文などはなかなか入りません。
入らないと待っているうちに相場が逆に動くことはよくあります。
こういう失敗は、一般のFX取引でも両建てでも同じです。
私は基本的に1銭程度有利にする程度で収めるようにしています。
まとめ
仕掛注文と決済注文が成功しやすい為替変動についてまとめました。
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