スワップ金利サヤ取り ちょっとした小技 その2
南アフリカランドのスワップ金利サヤ取りポジションを決済のまとめの2回目です。質問や新たに両建て運用を始めたいという方からメールを頂いているので参考までに2回くらいでまとめてみたいと思います。
前回の続きです。
---- 以下、前回と共通部分です。
前回も書いたのですが、今回の運用は以下の2社を使っております。
買いFX業者:日産センチュリー証券 大証FX口座
売りFX業者:DMM.COM証券
このスワップ金利サヤ取りは、上記で南アフリカランドを両建てにして運用します。両建てですので、為替リスクがほぼゼロという特徴があります。
為替リスクがほぼゼロでありながら、買いポジションと売りポジションのスワップ金利差を利益として受け取っていくものです。
現在の南アフリカランド スワップ金利比較
---- 以上、前回と共通部分修了。
では、始めましょう
2種類の利益
スワップ金利サヤ取りでの損益は2種類あります。
- 決済時損益
- スワップ金利累計損益
南アフリカランドのスワップ金利サヤ取りにおいては、大体の売買で損益は以下のようになります。
- 決済時損益 マイナス
- スワップ金利累計損益 プラス
- 合計損益 プラス
純粋な売買損益はマイナスとなり、それをスワップ金利の累計で埋めていくというのが通常の姿になります。
これは、南アフリカランドのスプレッドが実質的には他通貨の10倍くらい広いからです。スプレッド分を無理に埋めようとするのは大怪我の元になるので充分に注意して下さい。
これについては過去の連載でも書いています。
参考:南アフリカランド 2012年スワップ金利サヤ取り
でも、今回の決済では決済時損益もプラスとなっています。これは簡単なテクニックを少し使っています。いつも成功するテクニックではありませんが、参考にされて下さい。
決済時損益
両社の決済時損益だけを抜き出すとこうなります。
DMM利益 +5,392,000円
日産損失 -5,370,000円
差引利益 22,000円
ランド両建てをやっている方は「あれ?利益になっている?」と感じるはずです。先程も書きましたが、南アフリカランドは、スプレッドが広い関係でここで利益を出すのは難しいのです。
通常は、ここでの決済はマイナスになり、スワップ金利の累積で埋めるというのが通常のスワップ金利サヤ取りの姿です。うまくいったのは、このテクニックを使ったからです。
決済は逆張り
5月31日は、円高が大きく進行した日です。誰の目にも「もっと円高はすすむ」というのが明らかな展開でした。
「どこまでいくかはわからないけど・・ランドはあと5~10銭くらいは余裕で落ちそうだ」
そんな具合でした。
年に何回か、こういう展開ってありますよね。
私はこの運用法の決済はそういう時に行います。流れがかなり見えているのですから、自信をもってポジションを決済できます。勿論、100%確実ではありませんけどね。
- 買いポジションをまずは成行注文で損きり
- 売りポジションは少しだけ利益が出るところで指値注文を出す
指値注文は欲張りません。買いポジション決済値から1~3銭くらいのところでやります。あまりキツいのを入れると、その後に反転して慌ててしまうことがあるからです。
これは慣れもあるので最初のうちはあまり無理をしないで下さいね。
それと、このやり方はいつも成功するわけではありません。特にスワップ金利がまだ充分に貯まっていないようなときは、プレッシャーもかかるせいか失敗しやすい傾向にあります。
心に余裕がないときは相場の見通しもズレやすいという意味もあるかもしれません。
数ヶ月に1回、慎重にやるからこそ成功する・・・そんな感じで捉えておくべきかと思います。
私の場合、このやり方の成功率はいまのところ60~70%くらいというところです。
この部分で損失を少なく抑えておけるようになるとスワップ金利累計利益の恩恵を存分に受けることが出来ます。
スワップ金利累計利益
もう1つの利益「スワップ金利累計利益」です。決済時損益同様に抜き出すとこうなっています。
- DMM損失 -264,000円
- 日産利益 +368,730円
- 差引利益 +104,730円
日産センチュリー証券は買いポジションでしたのでプラススワップ金利が累積していて、DMMはその逆になっています。
南アフリカランドの値動き幅が小さくてスワップ金利差も大きく開いたままであれば、このまま何年でも持っていたいところですが、なかなかそうはいきません。
今回は、この辺で一旦手仕舞いして次の機会をまつことにします。
1月から行った2回の売買利益合計は181,660円でした。
為替リスクゼロで出した利益ということを考慮すれば私としては満足しています。この運用資金は利益部分のみを引き出して銀行の定期預金に一旦預けました。
次のチャンスがきたら再び出動させる予定です。
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