中国元円 管理通貨のリスク
この後にもまとめますが、中国元円を両建するのは「想定外の対策」の意味もあります。
「中国元円は、ほぼ完全な国家管理通貨」
これを忘れてはいけないと思っているからです。中国の都合で、中国元円相場はいかようにでも動くという性質を持っています。
「2種類の中国元円相場の存在自体が特殊性の象徴」
中国の判断次第で中国元はいかようにでもなるといっても過言ではありません。
しかも、ご承知のように・・・中国は世界の世論とも堂々と戦っていざとなれば孤立しても構わないという強さを持っています。突然世界を驚かせるようなことをするかもしれないという不気味さを感じます。
例えば、「中国元の切り上げや切り下げ」です。
中国もこれだけ大きくなったのだから、昔のように無茶はしないだろうという意見もあるかもしれませんが、FXでこの通貨を運用対象とする以上想定はしておくべきでしょう。
今は、中国経済が好調なので「為替の切り上げ=中国元上昇」が注目されがちですが、中国経済が不調になったら、中国国内中心にこの逆の論議が起こる可能性もあります。
「大幅切り上げ」又は「大幅切り下げ」が、ポジションを持っている状態で起これば、ポジションには大きな影響があります。
仮に、中国元円買いポジションを持っていて「中国元切り上げ」となれば、預けてある証拠金が倍になるくらいの利益になるかもしれません。
でも、逆に「想定外の切り上げ」ともなれば証拠金は一夜で飛んでしまう事にもなります。
参考までに、これまでの値動きもご覧下さい。
中国元円 過去の値動き
中国元円が過去にどういう値動きをしてきたのかというグラフをちょっとご覧下さい。カカクFXさんのHPで紹介されています。
kakakuFX オフショア人民元 過去の値動き
上記リンク先ページの中段くらいに「人民元(CNY)レートの過去の推移」という1990年からの値動きグラフがあります。
これは、セントラル短資の扱っているCNHではなくCNYです。しかも、USDCNY(米ドル人民元)です。日本円ではないのですが、値動きの特徴を掴むという目でご覧下さい。
中国元は、1994年に大幅な切り下げをしています。その後は、切り上げを続けて少しづつ上昇するという形になっています。管理通貨の特徴とはいえ、とても角々しいグラフになっていますね。
普段、豪ドル円や米ドル円などの為替グラフを見慣れている方は、一目みて「うわ、要注意」と感じるのではないでしょうか。
その感覚は大事だと思います。
中国元は、1994年から経済発展に伴い切り上げをジリジリとしてきました。でも、かつての日本がそうであったように、中国もそろそろ成長路線も正念場となりつつあります。
一休みして更に大きく成長する可能性もあれば、このまま暫くは失速する可能性もあります。
仮に、失速してもすぐには中国元切り下げは、すぐには起こらないでしょう。でも、将来的には様々な可能性があります。
こういう想定外の事態で大損するのを防ぐ方法の一つが「両建」です。
大きな切り上げや切り下げが起きれば、中国元円相場は数円くらいドーンと動きます。2つの中国元円相場は、どちらも同じように動くと思われます。
片方のポジションは強制ロスカットになり、もう片方には大きな利益が乗るということになるので、全体としてはあまり影響がない形に出来るのではないかと考えています。
これも絶対ではありません。この通貨に絶対はないと思います。怖いと感じたら手を出すべきではありません。あまり深刻になる必要はないと思っていますが、リスクだけは把握しておくべきかと思っています。
スワップ金利サヤ取りについて
2つのFX業者を使い両建を使って為替変動リスクをほぼゼロにしながら利益を出していくのがスワップ金利サヤ取りです。ここでは、現在の期待利回り状況や運用上の注意事項などを通貨ペア別にまとめていきます。
この運用法の考え方はここが基本になります。
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