世界中の資産家の間で行われているサヤ取り

欧米では、先日まで低金利のユーロで借り入れをして高金利の豪ドル債権を購入する所謂「ユーロ・豪ドルキャリー取引」がかなり行われていたという記事が日本経済新聞に掲載されていました。

キャリートレードは見方を変えればサヤ取りの一種でもあります。

低リスクで堅実な利益を出していけるという点で、私達の日常生活でも取り入れていくことで堅実な資産形成に役立てていけます。山崎種二氏が、やっていた「家を買ったら株を売る」というのもその1つです。

今まで私達日本人は、円への信頼が強すぎて外国を含めたサヤ取り的な投資はほとんど知られていませんでした。でも、経済と円が傾きつつある現代においては、自分たちの資産を守っていく上でこのサヤ取り的な考え方は有益だと私は考えています。

今回は、私が6年前にやった「住宅ローンとスワップ金利のサヤ取り」についてご紹介します。これは、当時のメルマガでも書いています。あれから6年経ってどんな状況になっているかも報告させて頂きます。

住宅ローンとスワップ金利のサヤ取り

読者歴の長い方は、今回の話はご記憶の方もいるかもしれません。

6年ほど前に私は1300万円ほどで築5年の中古住宅を購入しました。もともとは5000万円ほどはしたと言われる注文住宅で、バブルの崩壊により家と土地の値が大きく崩れたため、かなり安く手に入れられました。

ちなみに、今もその状況は続いています。私の家に限らず、とても作りが良くて一見新築にしか見えない中古住宅が本当に安い値段で日本全国で販売されています。

こんなに安いのには、それ相応の理由があります。住宅業者さんの話では以下のような理由があるそうです。

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日本人は特に新築を好む。だから新築住宅は高値でも売れる。そのために、中古住宅になると買う人が減るので安値でもなかなか売れない。

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現状、沖縄だけは例外のようですけどね。

沖縄では、大震災以降「移住ブーム」みたいなものが起きているようです。日本全国から不動産や新築マンションなどの購入が殺到していて物件がほとんど無いらしいのです。

先日会った沖縄の不動産業者さんが言われておりました。

話を私の家に戻します。

この家は、今も気にって住んでおります。購入時に35年の住宅ローンを組んでいます。当時自営業を始めたばかりの私ではローンがおりなかったために妻名義ででローンを組んでいます。

余談ですけど「大きなローンはサラリーマンのうちに組め」は1つの教訓ですね。

特に将来退職するかもしれない方は覚えておくべきです。サラリーマンの方は、低金利で大きな金額のローンが組めます。サラリーマンの肩書きが外れた日からローンなんて組めないか、数%上乗せ金利の高い金利でしか借りられなくなるのです。

そういうことで、私は妻に借金を背負っていただきました。

実は、当時1300万円の現金はありました。

それでも、敢えて住宅ローンを組んだのには理由がありました。

「低金利時代は、できるだけお金を借りたほうが得だ。」

・・・ということで・・・・

「住宅ローン金利よりスワップ金利の方が高いのでサヤ取りをやろう」

・・・ という事になりお金を借りたのです。

日本の低金利のお陰で住宅ローン金利はとても低くなっています。サラリーマンの方であれば年利1%くらいで借り入れることもできます。住宅ローン控除が年1%あることを考えれば、実質0%で住宅ローンが設定できるというのは信じられない好条件です。

私達の場合でも、年利2%前半で借入が可能でした。

住宅ローン金利は2%前半、豪ドルスワップ金利はレバレッジ1倍でも5%程度ありました。これに住宅ローン控除1%の節税分が加わりますので豪ドルスワップ金利が大幅に減ったとしても十分に返済が可能です。

この好条件を活かさない手はないですよね。

1300万円をそのまま購入資金で払ってしまえば、そのまま消えてしまいます。でも、それではつまらないのでこういう作戦を立てました。

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「スワップ放置系運用口座」としてスワップ金利と為替差益を受け取りながらその運用益で住宅ローンを返していく。

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実際にはこういう感じのことをやりました。

6年前 住宅ローン開始と共に仕掛け

手順1:1300万円をまず二つに分けました。

400万円:FX運用資金
900万円:他の運用や生活資金や貯金・円高時に緊急入金するお金

手順2:400万円で20万豪ドル買い

400万円で20万豪ドル買いました。そして、基本的には放置運用をしています。買値は80円近辺です。万が一の急激な円高の時は分離してある900万円から入金させるつもりでいました。

ポジションは、最初10万豪ドルくらいから始めて少しづつ買い増ししています。現在は20万豪ドルです。

住宅ローンの毎月の支払いが約5万円でした。

20万豪ドルのスワップ金利は、だいたい毎月5~10万円の範囲で受取が発生しています。400万円だけをスワップ放置口座にするだけでも、1300万円の住宅ローン返済が出来る状況にしてあまり手をつけずに放ったらかしにしておきました。

実際の住宅ローンの支払いは、妻の銀行口座からしています。毎月資金を引き出すのも面倒だったのでFX口座はずっとスワップ金利を貯め続けていたのです。

たまに・・・・一部決済して買い直したりもしています。

それから6年経ちました。

そのスワップ口座残高は800万円に増えました。

はっきり言ってほとんど何もしていません。豪ドル買いポジション作って放置しておいただけです。

住宅ローンとスワップ金利のサヤ取り

FXもかなり普及してきていますので、そろそろこういう使い方をしても良いのではないかという気がします。