山崎種二 売りの極意

山崎種二には「サヤ取り」としての顔ともう1つ「売りの山種」という顔があります。彼は、サヤ取りだけでなく売りの名人でもありました。彼が米相場でいつも売り方にまわるのには3つの理由を挙げています。

1米屋だったので米を売ることに慣れていた。
2命の次に大事な米を買い占める奴を許せなかった。
3買いで儲けるより、売りでもうける方がずっと値打ちがある。

米が「命の次」とは大袈裟な気がする方もいるかもしれません。でも、当時の日本経済の仕組みを考慮すれば大袈裟ではないのです。明治大正時代の日本は「米中心経済」だったからです。

お金=お米、と置き換えても良いくらいの状況だったのです。

現代でも「命の次に大事なお金」という表現は使いますね。当時の米は現代のお金と同じような扱いでした。

デフレ下で利益を出す意義

投資家として是非知っておきたいのは3番目の理由でしょう。彼はこう書いています。

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当時の日本は農業中心の経済であり、米が下がれば物価も値下がりした。物価が値下がりすればお金の値打ちがそれだけ上がることになる。

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デフレ下で相場で儲けることの意義と置き換えても良いだろうと思います。

米下げれば物価下落⇒デフレ
米上げれば物価上昇⇒インフレ

米と日本経済が深く結びついていた当時は、米下落は物価下落に繋がり易い状況だったようです。調度現代の、円高がすすんでいる状況がデフレが進行し易いという日本経済の状況にも繋がるようなところがあります。

デフレ下では資産価値が下がっていきお金の価値が上がっていきます。

でも、「デフレ下でお金の価値があがる」といってもピンとこないかもしれません。身近な話に置き換えてみましょう。

デフレ下では、不動産の値なども下がり続けます。私の近所の話題で行くと、5年くらい前は土地付き新築の家は最低でも3000万円くらいはしていました。

最近は、1500万円で同じ広さの土地と新築の家が販売されています。

もしも、この間1500万円の現金を持っていたとしたらどうなるでしょう。

5年前は、1500万円で新築の家など到底買えませんでした。
現在は、1500万円で新築の家が十分に買えます。

不動産との関係で我が家の近所だけで考えれば、1500万円の価値はここ5年で倍くらいになったということにもなります。

山崎種二が「そろばん」の中で書いている「デフレの時代にお金を稼ぐ意義」はここにあります。FXで稼ぐというのはインフレ時代に稼ぐよりも今のデフレ時代のほうがそれだけ価値が大きいと置き換えても良いと思います。

今の日本は山崎種二のいうところの「デフレ時代」そのものです。この時に稼ぐお金はインフレの時に稼ぐお金よりも価値があると彼は書いています。

私もそう思います。

FXに限らず、円高・デフレ時代の今こそ、仕事でも運用でも大いに稼ぐべきです。この時期にしっかりと稼いでおくことで、将来インフレ時代に突入した時には更に大きく稼げるようになると考えています。

次回、売りの極意を続けます。

山崎種二 売りの極意 まとめ

デフレ下で儲けるには売りがよく、そこで出す利益には大きな価値がある。この発想について説明を加えさせていただきました。