相場の神様が損をしても復活できる秘訣
山崎種二さんは、相場の神様と呼ばれたくらいだから損で苦しんだ経験なんてなかったに違いない。
こう思っている方もいるかもしれません。
でも、「そろばん」や日経新聞で連載された「私の履歴書」などを読むと山崎種二さんも定期的に損をしていたことがわかります。それも何度か手痛い損をしています。
新婚早々に大損して追証取りから逃げ回ったというエピソードなどは、この連載でも紹介させて頂きました。
彼が、一般の投資家であればそこで投資人生は終わっていたのではないかという気がします。
でも、山崎種二さんと私達一般投資家が違うのは、損をした後の立ち直りです。
早いんですよね。
山崎種二さんは、失敗の後の立ち直りが早いんです。
上記の新婚早々の大損のときも、翌年には立ち直っています。私などは、20代に破産近い状態の大損をした時には立ち直るのに5年以上かかりました。
2008年の大損のときも、その損を取り返すのに2年かかっています。
山崎種二氏の立ち直りの早さには秘訣があります。
その秘訣は「損に対する考え方」だと私は感じています。
損は預けたもの
「そろばん」では、こう書いてあります。
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よく、株で損をすると、この株にやられたんだから、同じ株でとり戻そうとする人がいる。あるいは、株の損は株の儲けで埋めようとする人も多い。
しかし、それは失敗しやすい。
損の上塗りである。1つには、心理的に負けてしまっているため、冷静な判断が出来なくなっているためだ。意地で成功するはずがない。
私は、必ずしもこだわらない。
損は「とりあえず取引所に預けたんだ」と考える。
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株をFXに読み替えていただければそのままFXに当てはまりますね。
経験のある方もいるはずです。
「今日はユーロ円で損をした。悔しい。でも、まだチャンスがあるからこれからユーロ円で取り返してやる。」
デイトレなどをやられている方は、こういう気持ちになったことが一度や二度はあるはずです。私も、デイトレ系運用をやっている口座で同じ気持ちになったことが何度もあります。
結果はどうだったでしょうか?
無論、勝つこともあります。
でも、負けることの方が多いのではないかと思います。
取り返そうと思えば思うほどやられる
私の場合は、こういう気持ちで取引して最終的に利益につながったのは大体10回のうち3回くらいの割合だろうという気がします。
かなりの確率でやられます。
これ株でもFXでも同じなのですが、・・・・
「FXは特にやられやすい」
・・・ そんな気がします。
株や商品先物が取引時間が限られてしまっているのに対して、FXはほぼ24時間取引が出来てしまうといったあたりに原因がある気がします。
株や商品先物では、取引時間が3時に終了するので・・「明日頑張ろう」という感じで強制的に頭を冷やすことになります。
でも、FXはいつでも売買ができてしまいます。
頭を冷やす余裕がないのです。
損をして頭が熱くなって、それを取り返そうという気持ちになってしまうと、どこまでも突き進んでしまう可能性がとても高くなります。
「冷静に考えれば勝てないとわかっている。でも、やってしまう」
こういう心理状態がFXでは一番危険です。
そういうときは、この山崎種二さんの言葉を思い出して下さい。
「損は取引所に預けた」
FXは店頭取引が中心なので、あるいは・・・・
「損は一時●●証券に預けた」
・・・という考えでその日のトレードを終了させるというのも良い判断です。
なんらかの形で、頭を冷却する仕組みを作っておきたいものですね。
私の場合もいくつかあります。
- 16時以降はパソコンをOFFにしてしまう。
- 21時には寝てしまう。
こんな感じです。パソコンをOFFにした後もスマートフォンからの注文は出そうと思えば出せます。でも、私の場合は「決済注文以外は出さない」というルールを作り守るようにしています。
決済注文は、損きりのためのルールです。気が重くなるような大きなポジションを作ってしまったり、なにか失敗したような気になる時がたまにあります。
そういう時は、スマートフォンですぐにポジションを決済するようにしているのです。
「過ちて改めず これを真の失敗という」
格言どおりにやっているだけですけどね。
これで大きな失敗は少なくなりました。