FXリスクは本当に危険すぎるのか

FXにはリスクがある。
FXは危険だ。
FXで大損した。

FXのリスクについて調べるためにネット上を検索すると、その危険性をあますところなく書いたサイトが大量にみつかります。多分、それを読んで現実の厳しさを知りFXに手を出さない方は沢山いると思います。

私は思うんです。

それも賢明な判断の一つ

言うまでもなく、何が何でもFXで稼がないといけない理由は、普通の日本人にはありません。ネット検索でヒットする現実の悲惨なFX話は誇張されたものものもありますが、本当の実話も多いので、そういう状況が起こる可能性を考慮すれば、FXに手を出さないというのも勇気ある決断だと思います。

でも、このページにグーグル検索で辿り着いた方は、それだけでは納得できなかったのではないかと思うんです。

FXって、危険なだけなの?

そんなに危険なはずなのに、安定した利益を出している人もいるのはなぜなの?

もしも、こういう感じの疑問を持って当ページをご覧になっているのであれば、その一つの回答がここにあるかもしれません。

では、始めましょう。

危険にするかどうかを決めるのは投資家

FXのリスクは投資家にとって大きく違います。もっと詳しく書けば、どういう運用法でやるかによってそのリスクは決定します。実は、危険かどうかを決めているのは、FXtぽいう投資商品ではなく投資家そのものなのです。

そして、その投資家判断の基本部分には昔からよく言われる原則があります。

リスクとリターンの原則

  • 高いリターンを望めばリスクも高くなる
  • 低いリターンでよければリターンも低くなる

短期で大きく儲けるようと思ってFXを始めれば、当然大きなリスクを取ることになります。そうなれば当然大損する可能性も高くなります。逆に、手堅く利益を出すつもりでやれば自然とリスクの低い運用法を選ぶことになります。

実はこういう単純なことなのです。

FXには、多くの運用法があります。その中には、為替リスクほぼゼロでできるものもあれば、高リスクで、短期間に数倍~数十倍に資産を増やせるものまで沢山あります。それらのどの運用法あるいは運用スタイルでいくかでその危険性が決まります。

惑わされないで欲しいことが一つあります。

投資サイトによってはこういうことが書いてあります。

この運用法はローリスク・ハイリターンです。

こういう文言をみたら、まずは警戒してください。理論的にこういうことはありませんし、これを実現している投資家を私は知りません。リスクの高い運用法で一年くらいで大儲けしたというくらいの話は昔からよく聞くのですが、その人が儲け続けたという話は聞いたことがありません。

そういう方のほとんどは、数年後には名前も聞かなくなります。

運の力によって、短期で大儲けすることはあるのですが、それ以外でローリスク・ハイリターンの運用法というものはないと思っています。

でも、この言葉は人間の「儲けたい」という欲望にピッタリとはまるので、ついつい乗ってしまいがちです。怪しげな投資商品にも多い宣伝文句なのでくれぐれもご注意くださいませ。

危険・リスクは運用法次第

最近は、FXの宣伝も工夫されてきていて「ハイリターン」という宣伝が「ミドルリターン」に修正されていることも多くなりました。ミドルリターンになるとなかなか判断が難しくなりますよね(苦笑)。

結局、FX運用は運用法次第である投資家にとってはハイリスクであり別の投資家にとってはローリスクであったりします。

中には、「リスクや危険性なんて意識していない」という方もいるかもしれません。実は、そういう方が一番危険です。リスクをあまり意識していない多くの初心者はハイリスク・ハイリターンの運用法を実践していることが多いというのが現実だからです。

そういうケースでは、当然のことながら大損するまで気づかないということになります。

逆に、この辺の仕組みをきっちりと頭に入れておけば悪循環にはまらないで済みます。

人間の弱さも損の原因となる

FXには自動売買という分野もあります。でも、ほとんどの投資家が自分で売買判断をする裁量トレードをしています。この裁量トレードをする場合には、「人間の判断」の弱さもリスクの一つとなります。

人間の判断とは、「仕掛け」「利益確定」「損切り」の3つの売買判断です。仕掛けも勿論重要なのですが、「利益確定」と「損切り」の二つの判断には以下の特徴があります。

  • 少し利益が出ると怖くなってすぐ決済してしまう。⇒ いつでも利益が少なめ
  • 損が増えると怖くなって損切りが出来なくなる。⇒ 損が増えて大損に繋がる

私を含め多くの投資家は、最初の内は「利益が少なく・・・損は大きめ」となります。これは、ほとんど例外なく100%の投資家が同じです。勝率自体は、大体50%くらいだったりします。

これだと、損の金額の方が利益の金額よりも大幅に多くなる傾向があるため、運用資金は長期的には減り続けていくわけです。

利益は少なくなりがち、損は大きくなりがち、勝率は50%程度・・。これでは、リスクはいつも高く、リターンはいつも小さい事になります。これが、「FXはハイリスク・ローリターン」であるという仕組みです。

今現在この状況にあると思う方は、そろそろ流れを変える必要があります。

まずは、この根底の原因を知る事が大事です。原因を知れば、対策をたてられます。

 ハイリスク・ローリターンの原因

これらの行動の根底には一つの感情があります。それは、「恐怖」です。

  • 利益が乗ってくるとその利益が吹き飛んでしまうという恐怖
  • 損が増えてくると、損切りが怖くなるという恐怖

ハイリスクとしてしまうのもローリタンとしてしまうのも恐怖が原因です。この恐怖を何らかの形で克服していかないとFXでは利益が増えていく状況にはなりません。この表をご覧下さい。

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過去の連載で使った投資家の「利益の喜びと損のショックの曲線」です。プロスペクト理論などとも呼ばれることがあります。人間は、100万円儲けて100万円損をしても損のショックの方が残ってしまうのです。この背後には「恐怖」がある訳です。

恐怖をいかに克服していくか。これは、初心者がFXで成功するための大きなテーマとなります。

自分が取れるリスクに応じた運用法を選び、この仕組みを理解していくことも成功していくためいには大切な部分となります。